不‌倫‌の‌慰‌謝‌料‌請‌求‌の‌手‌続‌き・‌や‌り‌方‌を‌解‌説!‌書‌面・‌口‌頭・‌調‌停・‌裁‌判‌の‌違‌い‌と‌は?‌

不‌倫‌の‌慰‌謝‌料‌請‌求‌の‌手‌続‌き・‌や‌り‌方‌を‌解‌説!‌書‌面・‌口‌頭・‌調‌停・‌裁‌判‌の‌違‌い‌と‌は?‌

夫(妻)の不倫がわかったら、まず「不倫をやめさせたい」と頭に浮かぶ方も多いかと思います。

そんなとき、慰謝料の請求が有効に働く可能性があるということをご存じでしょうか。

そうはいっても、「法律も関係していて難しそう」「どうやって手順をふんでいくのかわからない」などと頭を抱えますよね。

この記事では、不倫の慰謝料請求やその流れについて、できるだけ法律用語を使わずにわかりやすく解説していきます。

配偶者の不倫が発覚し、慰謝料請求を検討している方はぜひ一度目を通してみてください。

不倫の慰謝料請求とは?

不倫の慰謝料請求とは?

「慰謝料ってよく聞くけれど、実際どういうものなんだろう」という方もいるのではないでしょうか。

慰謝料とは、浮気・不倫によって夫婦関係が破綻した(または破綻寸前まで追い込まれた)など、不倫された側が受けた精神的苦痛を金額で表し、不倫した配偶者や不倫相手に請求するものです。

もちろん浮気や不倫といった問題は、お金だけできれいに解決できるものではありません。精神的苦痛を金額で表すのも簡単なことではありません。

そのため、慰謝料の金額は法律では明確に定められておらず、ケースによって大きく差が出てきます。

浮気・不倫の慰謝料請求には法律も関係してくるため、法律の知識も必要になります。

どうしても難しそうなイメージが強くなりますが、基本的な知識や慰謝料請求の流れを知っておけば、問題の早期解決につながるかもしれません。

次から詳しく慰謝料請求についてみていきましょう。

慰謝料請求が可能かを判断する

不倫が発覚したときには「何が何でも慰謝料請求する!」と感情的になってしまいがちです。

その気持ちはよくわかりますが、浮気・不倫をしていたからといって、どんなケースでも相手に慰謝料を請求できるわけではありません。

まずは不倫相手への慰謝料請求が可能かどうかを判断する必要があります。

判断のポイントとなるのは、以下の3点です。

1:浮気・不倫相手に「故意・過失」がある

まず「故意・過失」とは何なのでしょうか。

故意(こい) ある事実を知っていたこと

例:関係を持っていた人が既婚者だと知っていた

過失(かしつ) ある事実を知る機会・状況があったのに、不注意により知らなかったこと

例:相手から「夫婦関係は破綻している」と聞かされていた。しかし、注意すればそれが嘘であることに気付ける状況だったのに関係を持った

慰謝料の請求は、不倫相手に故意・過失があった場合に認められます。

「お互いの素性を知らずに関係を持った」「脅迫されて関係を持っていた」などの場合、慰謝料請求は認められません。

2:不倫(不貞行為)で「権利の侵害」を受けた

結婚している夫婦は、配偶者以外と性的な関係を持たないという「貞操(ていそう)義務」を負っています。

これを言い換えると「夫婦は互いに自分以外の人と性的な関係を持つことを禁じる権利がある」ということになります。

不倫(法律上でいう「不貞行為」)をするということは、その権利を侵害することに当たるのです。

不貞行為には性交渉(肉体関係)だけでなく、口淫や射精を伴う行為(肉体関係類似行為)も含まれます。

しかし逆にいえば、そういった行為に至っていなければ不貞行為にはならないということです。

過去に一緒に食事をしただけのケースでも慰謝料請求が認められた例もありますが、基本的にはデートやキスだけでは不貞行為には該当せず、慰謝料請求も認められません。

3:「時効」が経過していないかどうか

「時効」というと殺人事件の時効などを思い浮かべるかもしれませんが、ここでいう「時効」とは一定期間が経過し、法律上の権利がなくなることを指します。

浮気・不倫の慰謝料は、時効が完成する(一定期間が経過する)と請求する権利がなくなってしまうのです。

具体的には、以下の2つのうちのいずれか短いほうで時効が完成することになっています。

消滅時効 配偶者の不貞行為、浮気・不倫相手の存在を知った日から3年
除斥(じょせき)期間 不貞行為があった日から20年

消滅時効については、請求する事情によりカウント時期が異なってくるため、詳しいことは専門家に尋ねることをおすすめします。

なお、消滅時効の場合は、裁判を起こす・内容証明郵便を送るという方法のいずれかで時効完成を防ぐことができます。

除斥期間はいかなる場合であっても時効を止めることはできません。

時効完成後の慰謝料請求は難しくなるため、慰謝料請求を考える場合は早め早めに行動に移しましょう。

不倫の慰謝料を請求する具体的な流れ

不倫の慰謝料請求の具体的な流れ

慰謝料が請求可能であるとわかったら、請求の手続きに入っていくことになります。

具体的にどのような流れで進めていくのかをみていきましょう。

1:証拠や不倫相手の情報を集める

不倫をした配偶者や不倫相手が不倫の事実を認めれば、証拠などを集める必要はありません。

しかし素直に応じない場合は、以下に挙げるような不倫の決定的証拠となるものや不倫相手の情報を集める必要があります。

できるだけ多くの証拠を長期間にわたって揃えたほうが、不倫の事実は認められやすく、請求できる慰謝料も高額になりやすいといえます。

  • 性行為などを記録した写真、動画
  • 配偶者と不倫相手のメール、通話記録
  • 不倫相手と宿泊したと思われるホテルの領収書
  • 不倫を裏付けるクレジットカードの明細
  • SNSなどの記録
  • 不倫相手の妊娠を証明できるもの  など

慰謝料請求の書面を送る際にも必要になるため、不倫相手の名前と住所もしっかりおさえておきましょう。

自力で証拠や相手の情報を見つけるのが難しい場合は、興信所や探偵に依頼して調査してもらうという選択肢もあります。

調査中は不倫を黙認することになりますが、これで証拠をつかめれば慰謝料請求にも有利にはたらいてくれるはずです。

興信所や探偵を利用する場合は、ある程度知名度があり、料金体系が明らかになっていて信頼できそうなところを選ぶようにしましょう。

2:請求金額を決定する

前述のとおり慰謝料の金額には基準が定められておらず、ケースによってさまざまです。

相場としては、浮気・不倫だけで夫婦関係を続けるなら100万円前後、浮気・不倫が原因で別居となった場合は200万円前後、離婚に至った場合は300万円前後とされています。

多くの場合50~300万円の範囲内に収まりますが、ケースによってはそれを大きく上回る・下回る可能性も否定できません。

なお、慰謝料の金額を決める要素としては配偶者・不倫相手の年齢や婚姻期間、不倫がわかる前の結婚生活の状況、幼い子どもの有無などが挙げられます。

3:請求方法を決める

慰謝料請求には、書面で請求する方法と口頭で請求する方法とがあります。

いずれも詳しいやり方が決まっているわけではありません。

それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。

メリット デメリット
書面で請求
  • 請求に関する言い分が相手に明確に伝えられ、記録にも残る
  • こちら側の主張をじっくり考えられる
  • やり取りに時間がかかる
  • 不倫相手に言い分を考える時間を与えてしまう
口頭で請求
  • やり取りに時間がかからないので早期解決が期待できる
  • 不倫相手を徹底的に追及できる
  • 適切にやり取りをしないと交渉で失敗する可能性がある
  • 言った・言わなかったで後々問題になることがある

4:実際に請求する

書面の場合は、内容証明郵便をはじめ、普通の手紙やメールなどいずれかのものを慰謝料を請求する相手に送ります。

口頭の場合は、一般的に電話や対面で請求する方法がとられます。

冷静に話し合うのが難しい・当事者だけで解決する自信がない場合は、弁護士など第三者を交えて進めるか、代理人として話し合いを進めてもらうという方法でもよいでしょう。

5:示談書(合意書・和解書)を作成する

不倫相手との協議の末、問題解決となった際には、示談書(合意書・和解書・確認書とも)を作成します。

示談書の作成は法律で義務付けられているわけではありません。

しかし、口頭でのやり取りだけで済ませると、後々当事者間で「言った・言わない」などと再度問題となってくることがあります。

そうした事態を防ぐために、示談書で慰謝料の支払いや守秘義務を記し確認するのです。

示談書には主に以下のような項目を記載します。

  • 慰謝料・示談金に関する詳細
  • 不倫関係を解消する約束(婚姻関係を継続する場合)
  • 禁止行為(連絡を取ることなど)
  • 守秘義務(不倫関係にあったことを第三者に口外しないなど)
  • 示談書の内容に違反した場合のペナルティ
  • 清算事項  など

示談書は当事者が作成しても問題ありませんが、弁護士や行政書士に依頼して作成してもらうとより確実です。

6:支払いが分割の場合は公正証書を作成

慰謝料は基本的に一括で支払うことが求められますが、相手によっては分割で払っていくしかないという場合もあるでしょう。

分割の場合、特に金額が大きい場合は、書面に残しておかないと支払いが滞ったときの督促が難しくなります。

そのため、慰謝料を分割で支払ってもらう場合には、公正証書の作成が勧められます。

公正証書を作成すると裁判の判決と同様に財産の差し押さえなどができるようになります。

公正証書作成には多少費用がかかりますが、慰謝料を確実に支払ってもらうには作成しておいたほうがよいといえます。

なお、公正証書作成には相手の合意が必要になることをおさえておきましょう。

不倫の慰謝料請求の「解決」とは

不倫の慰謝料請求の「解決」とは

不倫をした配偶者や不倫相手との話し合いで不倫問題解決へと進めばよいですが、一筋縄ではいかない場合もあります。

ここまででお伝えした方法で解決とならなかった場合、どうなるのでしょうか。

解決しなかったら調停や訴訟に進む

書面・口頭での請求、その後の当事者間での話し合いで解決できなかった場合、調停や裁判へと進むことになります。

調停は、調停委員が間に入って当事者の言い分を聞き、解決に向けてアドバイスなどがされます。

不倫相手と直接顔を合わせてやり取りする必要はなくなりますが、お互いの言い分が決裂した場合は裁判へと発展するリスクもあります。

裁判は、裁判官が間に入って慰謝料の金額などを適正に判断します。

公正に判断してもらえる点はよいですが、時間もお金もかかるため、精神的にもさらに負担となることが考えられます。

不倫の慰謝料請求方法・まとめ

配偶者の不倫で精神的苦痛を受けた上に、このようにさまざまな手順をとって慰謝料請求を行うのは大変辛いことです。

しかし、慰謝料を請求することによって話し合いへと進み、不倫問題の解決につながる可能性も大いにあります。

本文内でも触れたように、時間が完成してしまうと慰謝料請求は難しくなります。

早めに行動を始めて、少しでも早く辛い状況から抜け出しましょう。