プラトニック不倫は「不倫」として認められる?慰謝料請求した場合の勝算は?

プラトニック不倫は「不倫」として認められる?慰謝料請求した場合の勝算は?

「不倫」と聞くと、パートナーに隠れて会い、肉体関係を結ぶ関係をイメージする方が大半かと思います。

しかし中には、肉体関係は持たず、お互い気持ちだけを通わせるという「プラトニック不倫」をしている人たちもいるようです。

今回は、プラトニック不倫を理由にした慰謝料請求は法律的に認められるのかに迫ります。

そもそもプラトニック不倫とは?

プラトニック不倫とは、明確な定義はありませんが、おおよそ「特定のパートナーを持つ人が、パートナー以外の人とお互いに恋愛感情を持って逢瀬を重ねる」といったものです。

一般的な「不倫」とは異なり性交渉はなく、あくまでお互いに気持ちを通わせるのみです。

 

パートナーを裏切って、夫(妻)以外と肉体関係を結ぶのは当然ながら許しがたいでしょう。

しかし肉体関係なく、気持ちだけを通わせているというのも、ただの不倫より本気な感じがしますし、夫(妻)としてはやはり気分がいいものではありませんよね。

プラトニック不倫で慰謝料請求はできる?

結論から言って、プラトニック不倫でも慰謝料請求は可能です。

しかし、肉体関係がなく、友人関係との線引きも曖昧なプラトニック不倫では、慰謝料請求をしたところで勝ち目はかなり低いでしょう。

また、仮に慰謝料請求が認められても、請求よりも少額になる可能性が高いと考えられます。

過去の判例も含めて、見ていきましょう。

慰謝料請求しても勝ち目が少ない理由

一般的な不倫の場合、慰謝料請求にはまず証拠集めが重要になります。

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しかしプラトニック不倫の場合、性交渉を持たず「精神的なつながり」という非常に曖昧な関係。不倫の証拠となるものが集めにくいのです。

明確な証拠がなければ、相手に慰謝料請求を拒否されたり、裁判に進んでも不倫であると認められなかったりする可能性が高くなってしまいます。

実際にあったプラトニック不倫の判例

2014年、プラトニック不倫をめぐって実際に裁判が開かれています。

 一線を越えない“プラトニック”な関係を貫いても、やはり「不倫」に代償は必要だった。夫と親密な関係になり精神的苦痛を受けたとして、大阪府内の女性が、夫の同僚女性に220万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は3月、44万円の支払いを命じた。判決は、同僚女性が夫に何度も肉体関係を迫られながら、巧みにかわして「貞操」を守ったと認定。それでも、同僚女性が夫のアプローチをはっきりと拒絶せず、逢瀬を重ねて二人きりの時間を過ごしたことから、地裁は「同僚女性の態度と夫の(原告女性への)冷たい態度には因果関係がある」と判断した。

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プラトニック不倫でも慰謝料の支払いが認められたとして、この裁判は当時非常に話題になりました。

しかしこの判例を見てもわかるように、精神的苦痛を受けたと訴える妻が損害賠償220万円を求めているのに対し、実際命じられたのは44万円と請求額の約5分の1になっています。

 

いくら性交渉がなかったとしても、パートナーの気持ちが自分以外の人に向いてしまったら傷つきますし、自分の精神的苦痛をわかってほしいという気持ちもわかります。

しかし裁判を起こす労力と金銭的負担を考えると、プラトニック不倫での慰謝料請求はあまりメリットがないかもしれません。

まずは夫婦関係を見つめ直してみては?

先ほどの判例について、プラトニック不倫が始まったきっかけを見てみましょう。

 夫婦は21年6月ごろからけんかを繰り返すようになった。原告女性が自宅の壁を蹴って穴を開けたり、マラソン大会に出場しようとした夫のマラソンシューズの靴紐をはさみで切ったりするなど、激しさを増していったという。

一方、夫が東京に勤務する同僚女性と知り合ったのは21年4月ごろ。最初は電話やメールで仕事上のやり取りをするだけの関係だったが、22年秋以降、「夫婦間の交渉がない」「妻が大声を出して暴れる」などと、夫婦関係について夫が同僚女性に相談するようになった。

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この夫婦を見てもわかりますが、不倫が始まるきっかけには、セックスレスや夫婦関係の悪化などが少なくありません

夫婦関係がうまくいっていれば、あなた以外の人に気持ちが向く可能性も低いはずです。

パートナーの不倫がわかると、パートナーや不倫相手に怒りがわいてくるでしょう。

その怒りもよく理解できますし、不倫はもちろん裏切り行為です。でも一度深呼吸して、夫婦関係に何らかの問題がなかったかを見つめ直してみてください。

もし心当たりがあれば、そこに夫婦関係修復のヒントがあるかもしれません。離婚や慰謝料について考えるのは、夫婦関係を見つめ直してからでも遅くないはずです。

まとめ

性交渉がないプラトニック不倫であっても、慰謝料請求が認められる可能性はゼロではありません。

しかし、裁判を起こす手間や金銭的負担を考えると、あまり現実的ではないというのが実際のところです。

不倫の疑惑がある中、夫婦で話し合いの場を設けるのはなかなか厳しいかもしれませんが、ぜひ一度パートナーと向き合い、お互いの心の内を打ち明けてみてください。