事実婚での不倫も慰謝料請求はできる!必要なものや慰謝料の相場を解説

事実婚での不倫も慰謝料請求はできる!必要なものや慰謝料の相場を解説

最近は結婚への考え方も少しずつ柔軟になりつつあり、(欧米と比較すると少ないですが)最近は日本でも事実婚(内縁)が増えてきているようです。

そんな中気になるのは、事実婚の場合の不倫。

不貞がわかったとき、事実婚でも通常の婚姻関係と同じように慰謝料を請求できるのでしょうか?

今回は、事実婚における不倫慰謝料について解説します。内縁関係にあり、パートナーの不倫でお悩みの方は、ぜひご一読ください。

事実婚(内縁)での不倫も慰謝料請求は可能!

結論から言って、事実婚(内縁)での不倫の場合も、慰謝料請求はできます。

ここでまず、事実婚(内縁)のおおよその定義を確認しましょう。

1、内縁とは、法律による具体的な定義はありませんが、判例上、次のように解釈されています。

① 婚姻の意思をもって
② 共同生活を営み
③ 社会的にみて夫婦と認められながらも
④ 婚姻届が提出されていない男女の関係

新銀座法律事務所 内縁

ただ一緒に住んでいる(同棲している)だけでは、内縁関係にあるとは言えないため、注意しましょう。

ちなみに、ネット上では『3年以上同棲すると事実婚と認められる』というような説がまことしやかに囁かれていますが、これは少なくとも民法上は全く根拠のない話です。

Domani 事実婚の夫が浮気!「内縁の妻」は慰謝料を請求できる?【教えて!離婚駆け込み寺】

事実婚(内縁)は「準婚関係」と認められ、法律上保護される男女関係です。

通常の婚姻関係(法律婚)同様、夫婦間で守るべき貞操義務は事実婚の夫婦でも適用されます。つまりパートナー以外の異性と肉体関係を持った場合、貞操義務違反ということになるのです。

事実婚と法律婚には、相続権や親権など異なる部分もありますが、貞操義務については法律婚と変わりません。

事実婚の不倫での慰謝料請求に必要な4つの条件

事実婚でパートナーの不倫がわかったとき、どのような条件がそろえば慰謝料請求が可能なのでしょうか。

ここでは主な4つの条件を解説します。

1:事実婚(内縁関係)を証明するものがある

前提として、事実婚の慰謝料請求は法律婚よりややハードルが高くなります。

というのも、事実婚(内縁関係)が成立していることをまず証明する必要があるからです。

これが証明できないと、「ただ同棲していただけ」とうまく逃げられてしまう可能性が高くなるのです。

事実婚を証明できる資料としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 住民票記載の続柄(夫(未届)/妻(未届))
  • 健康保険証
  • 賃貸借契約書
  • 生命保険証書
  • 家計を共にしていることがわかる記録
  • 結婚式や新婚旅行などの記録
  • 周囲の証言(陳述書)
  • SNS上や通話のやりとり
  • 子どもの戸籍謄本(認知している場合)

2:不倫の証拠となるものがある

不貞行為を証明するのに必要な証拠は、法律婚の場合と同じです。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

不倫の慰謝料は証拠がなくても貰える?証拠になるものならないものの見分け方

浮気調査は自分でもできる?確実な証拠とそれを得るための方法とは

3:不倫相手が故意・過失である

不倫で慰謝料を請求するには、不倫相手が故意・過失でなければなりません。

故意・過失とはつまり、事実婚のパートナーがいることを認識していたにもかかわらず関係を持ったということです。

事実婚の場合、周りにきちんと内縁関係であることを表明していたケースを除き、周りからは認識されにくいこともあります。

パートナーが不倫相手に「妻(夫)じゃなくて恋人で、ただ一緒に住んでいるだけ」などと説明して、それを信じていたら、故意・過失ではなくなる可能性も。

この点でも、事実婚での慰謝料請求はやや難しいといえるかもしれません。

4:不倫が原因で権利が侵害された

こちらは法律婚と同様です。要は不倫が原因で夫婦(家族)関係に悪影響が及んだかどうかということ。

「不倫が原因で」なので、もともと夫婦仲がよくなかった場合は慰謝料請求が難しくなる可能性があります。

事実婚の不倫で慰謝料請求ができない3つのケース

ここまで慰謝料請求ができる条件を見てきました。では逆に、どのようなケースでは慰謝料請求ができないのでしょうか。

ここまで軽く触れてきたことも含め、3つのケースを解説します。

1:事実婚の関係が破綻していた場合

法律婚同様、すでに別居していたり、一緒に住んではいたけれど関係が破綻していたりする場合、不貞による権利の侵害はなかったとして、慰謝料請求が認められない場合があります。

ただどこから「内縁関係が破綻している」と判断されるかは微妙なところなので、専門家に相談したほうがよいかもしれません。

2:事実婚の関係が証明できない場合

事実婚での慰謝料請求は、「届け出はしていないけれど夫婦である」と証明することが重要だとお伝えしました。

つまり内縁関係が証明できなければ、慰謝料請求は難しくなるといえます。

内縁関係と認められないケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • どちらか(または両方)に婚姻の意思がない
  • 一緒に住んでいない
  • 家計を共にしていない
  • 住民票や生命保険証書などで他人扱い
  • 周囲が誰も夫婦であると認識していない
  • 夫側が子どもを認知していない

3:重婚的内縁であった場合

重婚的内縁とは、法律上婚姻関係にある配偶者がいながら、別の人とも内縁関係にある状態です。

日本では法律で重婚が禁止されているため、重婚的内縁も認められません。

ただ、法律婚のパートナーとの関係が破綻していたなど、場合によっては法律の保護対象となる可能性もあるようです。

事実婚の不倫での慰謝料相場は?

事実婚(内縁関係)での不倫の慰謝料相場は、ケースにもよりますが、50~300万円ほどと、法律婚とほぼ同程度であることが多いようです。

慰謝料の金額に影響する要素としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 内縁関係にあった期間
  • 不倫の期間や回数
  • 離婚に至るかそうでないか
  • 子どもがいるかどうか

まとめ

事実婚(内縁関係)の不倫であっても、法律婚と同じように慰謝料請求ができることがわかりました。ただ請求する場合には、内縁関係であると証明できることが重要になってくるため、まず証明するものがあるかどうかを確認しましょう。

また、重婚的内縁である場合は慰謝料請求が難しくなる可能性が高いため、こちらも念頭に置いておきましょう。